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TED日本語 - レベッカ・ブラックマン: うつやPTSDを予防できる新種の薬 TED Talk
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うつやPTSDを予防できる新種の薬 | TED Talk
A new class of drug that could prevent depression and PTSD | TED Talk
レベッカ・ブラックマン
Rebecca Brachman
内容
うつやPTSDに対する現在の治療は、効果があったとしても、症状を抑えるに留まっています。これらの病気にかかることを根本的に防げるとしたらどうでしょう?神経科学者であり、TEDフェローであるレベッカ・ブラックマンが、自分の研究チームが偶然に発見した新種の薬についてお話しします。それはストレスによる悪影響を防ぎ、回復と成長をする人間の力を高められる初めての薬です。このストレス耐性増強剤によって、精神疾患の治療方法がどう変わりうるのかを学びましょう。
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So the first antidepressants were made from, of all things, rocket fuel, left over after World War II. Which is fitting, seeing as today,one in five soldiers develop depression, or post-traumatic stress disorder or both. But it's not just soldiers that are at high risk for these diseases. It's firefighters, ER doctors, cancer patients, aid workers, refugees -- anyone exposed to trauma or major life stress. And yet, despite how commonplace these disorders are, our current treatments, if they work at all, only suppress symptoms.
In 1798, when Edward Jenner discovered the first vaccine -- it happened to be for smallpox -- he didn't just discover a prophylactic for a disease, but a whole new way of thinking: that medicine could prevent disease. However, for over 200 years, this prevention was not believed to extend to psychiatric diseases. Until 2014, when my colleague and I accidentally discovered the first drugs that might prevent depression and PTSD. We discovered the drugs in mice, and we're currently studying whether they work in humans. And these preventative psychopharmaceuticals are not antidepressants. They are a whole new class of drug. And they work by increasing stress resilience, so let's call them resilience enhancers.
So think back to a stressful time that you've since recovered from. Maybe a breakup or an exam, you missed a flight. Stress resilience is the active biological process that allows us to bounce back after stress. Similar to if you have a cold and your immune system fights it off. And insufficient resilience in the face of a significant enough stressor, can result in a psychiatric disorder, such as depression. In fact, most cases of major depressive disorder are initially triggered by stress. And from what we've seen so far in mice, resilience enhancers can protect against purely biological stressors, like stress hormones, and social and psychological stressors, like bullying and isolation.
So here is an example where we gave mice three weeks of high levels of stress hormones. So, in other words, a biological stressor without a psychological component. And this causes depressive behavior. And if we give three weeks of antidepressant treatment beforehand, it has no beneficial effects. But a single dose of a resilience enhancer given a week before completely prevents the depressive behavior. Even after three weeks of stress. This is the first time a drug has ever been shown to prevent the negative effects of stress.
Depression and PTSD are chronic, often lifelong, clinical diseases. They also increase the risk of substance abuse, homelessness, heart disease, Alzheimer's, suicide. The global cost of depression alone is over three trillion dollars per year. But now, imagine a scenario where we know someone is predictively at high risk for exposure to extreme stress. Say, a red cross volunteer going into an earthquake zone. In addition to the typhoid vaccine, we could give her a pill or an injection of a resilience enhancer before she leaves. So when she is held at gunpoint by looters or worse, she would at least be protected against developing depression or PTSD after the fact. It won't prevent her from experiencing the stress, but it will allow her to recover from it. And that's what's revolutionary here. By increasing resiliency, we can dramatically reduce her susceptibility to depression and PTSD, possibly saving her from losing her job, her home, her family or even her life.
After Jenner discovered the smallpox vaccine, a lot of other vaccines rapidly followed. But it was over 150 years before a tuberculosis vaccine was widely available. Why? In part because society believed that tuberculosis made people more sensitive and creative and empathetic. And that it was caused by constitution and not biology. And similar things are still said today about depression. And just as Jenner's discovery opened the door for all of the vaccines that followed after, the drugs we've discovered open the possibility of a whole new field: preventative psychopharmacology. But whether that's 15 years away, or 150 years away, depends not just on the science, but on what we as a society choose to do with it.
Thank you.
(Applause)
最初の抗うつ剤は あろうことか 第二次世界大戦後に残された ロケット燃料から作られました 戦争といえば こんにち兵士の5人に1人が うつやPTSDになっています しかし こうした病気になるリスクが 高いのは 兵士だけではありません 消防士、救命医、がん患者、援助活動家、難民 ― トラウマや人生における大きなストレスに 晒されている誰もがそうです これらの障害が ありふれているにもかかわらず 現在の治療は 効果があったとしても 症状を抑えるだけです
1798年にエドワード・ジェンナーが 最初のワクチンを発見したとき ― それは天然痘用でしたが ― 彼は単にある病気の薬を 発見したというだけでなく 全く新しい考え方 つまり 薬で病気を予防できることを 発見したのです しかしながら 200年以上もの間 病気の予防が精神疾患でも可能とは 考えられていませんでした 2014年に 同僚と共に私が 偶然にも うつやPTSDを予防できる 初めての薬を 発見するまではそうでした 私達はマウスでその薬を発見し 現在それが人間にも有効かを 調べています この予防的な向精神薬は 抗うつ剤とは違います 全く新しい種類の薬です ストレス耐性を 高める事によって効くので 「耐性増強剤」と 呼ぶ事にしましょう
これまでに立ち直ってきたストレスの 多い時期を思い起こしてみてください 失恋や試験 飛行機の乗り遅れかもしれません ストレス耐性は 能動的な生物学的プロセスで ストレス後の回復を 容易にします 風邪をひいたら免疫系が それを撃退するのと同じです 十分な耐性がない場合 かなりのストレス因子に 晒された結果として うつといった精神障害に陥る 危険性があります 実際 大うつ病は ほとんどの場合 ストレスが 最初の 引き金になっています マウスでの観察では ストレス耐性増強剤は ストレスホルモンのような 純粋な生物学的ストレス因子にも いじめや孤独といった 社会心理的ストレス因子にも 防御効果があります
これはマウスに高レベルの ストレスホルモンを 3週間与えた例です 心理的要素のない 生物学的ストレス因子を与えたという事です それによって うつ状態の行動が現れます 前もって 抗うつ剤を 3週間与えておいても 全く何の効果もありません しかし1週間前に 耐性増強剤を一回与えると うつの症状を 完全に防ぐ事ができるのです 3週間ストレスを受けた 後でさえも 薬がストレスの悪影響を 防ぐ事が示されたのは これが初めての事です
うつやPTSDは慢性で しばしば生涯にわたり治療の必要な病気です それはまた 薬物乱用 ホームレス化、心臓病 アルツハイマー病、自殺などの リスクを高めます 全世界でかかる社会的コストは うつ病だけで 年間3兆ドル以上です でも 誰かが極度のストレスに 晒されるリスクが 高いと前もって 分かっていたら ― たとえば赤十字ボランティアが 地震被災地に入るような場合ですが 腸チフスワクチンに加えて 耐性増強剤を 現地への出発前に 投与する事ができます 略奪者に銃口を向けられたり もっと酷い目に遭っても 少なくとも そのために うつやPTSDになる事は 防げるでしょう この薬でストレスを受けるのを 免れる事はできませんが 薬のお陰でストレスから 立ち直る事ができます そこが画期的なところです 耐性を高める事によって うつやPTSDになる可能性を 劇的に下げます 職や家、家族そして命さえ 失うような事態を避けられます
ジェンナーが 天然痘のワクチンを発見した後 他の多くのワクチンが 続々と作られました しかし結核のワクチンが 広く利用できるまでには 150年以上かかりました なぜでしょう? 結核に罹ると 人の感受性が高まり より創造的で同情的になると 社会が信じていたことが一因です 結核は生物学的なものではなく 気質によって引き起こされるのだと うつについては同様の事が いまだに言われています ジェンナーの発見が その後に続く 全てのワクチンへの扉を開けたのと ちょうど同じように 私達が発見した薬によって 「予防精神薬理学」という 全く新しい分野の可能性が 開けるのです しかしそれが15年後になるのか 150年後になるのかは 科学だけではなく 私達が社会としてどうするか という選択にかかっています
ありがとうございました
(拍手)
品詞分類
- 主語
- 動詞
- 助動詞
- 準動詞
- 関係詞等
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