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TED Talks(英語 日本語字幕付き動画)
TED日本語 - 浅川智恵子: 視覚障害者が世界を自由に探索できるようにする新技術
TED Talks
視覚障害者が世界を自由に探索できるようにする新技術
How New Technology Helps Blind People Explore the World
浅川智恵子
Chieko Asakawa
内容
技術によって生活の質をいかに向上させることができるか?どうすれば視覚を使わずに世界を動き回れるようにできるか?14歳の時に視力を失ったIBMフェローで発明家の浅川智恵子は、そんな問に答えるべく取り組んできました。笑いを誘うデモ映像で彼女が紹介するのは、視覚障害者がかつてなく自由に世界を探索できるようにする新技術です。そして歴史が示しているのは、優れたアクセシビリティをデザインするとき、すべての人が恩恵を受けるということです。
字幕
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You might think there are many things that I can't do because I can not see. That's largely true. Actually, I just needed to have a bit of help to come up to the stage.
But there is also a lot that I can do. This is me rock climbing for the first time. Actually, I love sports and I can play many sports, like swimming, skiing, skating, scuba diving, running and so on. But there is one limitation: somebody needs to help me. I want to be independent.
I lost my sight at the age of 14 in a swimming pool accident. I was an active, independent teenager, and suddenly I became blind. The hardest thing for me was losing my independence. Things that until then seemed simple became almost impossible to do alone. For example,one of my challenges was textbooks. Back then, there were no personal computers, no Internet, no smartphones. So I had to ask one of my two brothers to read me textbooks, and I had to create my own books in Braille. Can you imagine? Of course, my brothers were not happy about it, and later, I noticed they were not there whenever I needed them. (Laughter) I think they tried to stay away from me. I don't blame them. I really wanted to be freed from relying on someone. That became my strong desire to ignite innovation.
Jump ahead to the mid-1980s. I got to know cutting-edge technologies and I thought to myself, how come there is no computer technology to create books in Braille? These amazing technologies must be able to also help people with limitations like myself. That's the moment my innovation journey began.
I started developing digital book technologies, such as a digital Braille editor, digital Braille dictionary and a digital Braille library network. Today, every student who is visually impaired can read textbooks, by using personal computers and mobile devices, in Braille or in voice. This may not surprise you, since everyone now has digital books in their tablets in 2015. But Braille went digital many years before digital books, already in the late 1980s, almost 30 years ago. Strong and specific needs of the blind people made this opportunity to create digital books way back then. And this is actually not the first time this happened, because history shows us accessibility ignites innovation. The telephone was invented while developing a communication tool for hearing impaired people. Some keyboards were also invented to help people with disabilities.
Now I'm going to give you another example from my own life. In the '90s, people around me started talking about the Internet and web browsing. I remember the first time I went on the web. I was astonished. I could access newspapers at any time and every day. I could even search for any information by myself. I desperately wanted to help the blind people have access to the Internet, and I found ways to render the web into synthesized voice, which dramatically simplified the user interface.
This led me to develop the Home Page Reader in 1997, first in Japanese and later, translated into 11 languages. When I developed the Home Page Reader, I got many comments from users. One that I strongly remember said, "For me, the Internet is a small window to the world."
It was a revolutionary moment for the blind. The cyber world became accessible, and this technology that we created for the blind has many uses, way beyond what I imagined. It can help drivers listen to their emails or it can help you listen to a recipe while cooking.
Today, I am more independent, but it is still not enough. For example, when I approached the stage just now, I needed assistance. My goal is to come up here independently. And not just here. My goal is to be able to travel and do things that are simple to you.
OK, now let me show you the latest technologies. This is a smartphone app that we are working on.
(Video) Electronic voice: 51 feet to the door, and keep straight.
EV: Take the two doors to go out. The door is on your right.
EV: Nick is approaching. Looks so happy. Chieko Asakawa: Hi, Nick!
(Laughter) CA: Where are you going? You look so happy.
Nick: Oh -- well, my paper just got accepted. CA: That's great! Congratulations.
Nick: Thanks. Wait -- how'd you know it was me, and that I look happy? (Chieko and Nick laugh)
Man: Hi. (Laughter) CA: Oh ... hi.
EV: He is not talking to you, but on his phone.
EV: Potato chips.
EV: Dark chocolate with almonds.
EV: You gained 5 pounds since yesterday; take apple instead of chocolate.
(Laughter)
EV: Approaching.
EV: You arrived.
CA: Now ...
(Applause)
Thank you.
So now the app navigates me by analyzing beacon signals and smartphone sensors and permits me to move around indoor and outdoor environments all by myself. But the computer vision part that showed who is approaching, in which mood -- we are still working on that part. And recognizing facial expressions is very important for me to be social.
So now the fusions of technologies are ready to help me see the real world. We call this cognitive assistance. It understands our surrounding world and whispers to me in voice or sends a vibration to my fingers. Cognitive assistance will augment missing or weakened abilities -- in other words, our five senses. This technology is only in an early stage, but eventually, I'll be able to find a classroom on campus, enjoy window shopping or find a nice restaurant while walking along a street. It will be amazing if I can find you on the street before you notice me. It will become my best buddy, and yours.
So, this really is a great challenge. It is a challenge that needs collaboration, which is why we are creating an open community to accelerate research activities. Just this morning, we announced the open-source fundamental technologies you just saw in the video.
The frontier is the real world. The blind community is exploring this technical frontier and the pathfinder. I hope to work with you to explore the new era, and the next time that I'm on this stage, through technology and innovation, I will be able to walk up here all by myself.
Thank you so much.
(Applause)
目の見えない私には できないことが沢山あると 思われるかもしれません 大体のところは その通りで このステージに 上がって来るときも ちょっと手を貸してもらう 必要がありました
でも できることだって 沢山あります これは私が 初めてのロッククライミングに挑戦しているところです スポーツは大好きだし いろんなスポーツができます 水泳、スキー、スケート、スキューバダイビング、ジョギングなどなど でも1つ制限があります 誰かの手助けが 必要なことです 私は1人で できるようになりたいです
私は14歳の時 プールでの事故で 視力を失いました 行動的で自立した子供でしたが 突然 盲目になったんです 私にとって 一番つらかったのは 自立性を失ったことです それまで簡単だったことが 自力では ほとんど不可能になりました 困難だったことの1つに 教科書があります 当時は パソコンも インターネットも スマートフォンもありません それで2人いる兄弟のどちらかに 教科書を読み上げてもらい 点字で自分用の本を 作る必要がありました 想像できますか? 私の兄弟にしても そんなの 面白いわけもなく 頼みたい時にはいつも いなくなっていることに気が付きました (笑) 私のことを避けていたんだと 思いますが そのことで2人を責めるつもりは ありません ただ私は 誰かに頼らずに済むように なりたいと強く思っていて それがイノベーションを起こしたい という想いに繋がりました
時が過ぎ 1980年代の中頃 最新技術に触れる ようになった私は 疑問を持ちました なんで点字の本を コンピューターで作る技術が ないんだろう? この素晴らしい技術を使えば 私のようなハンデのある人間を 救うことだってできるはずだ そうして 私のイノベーションへの旅が始まりました
私はデジタルブック技術の開発に 取り組み始めました デジタル点字エディタ デジタル点字辞書 デジタル点字図書館ネットワーク 現在では 目の不自由な学生でも パソコンやモバイル端末を使い 点字や音声を通して 教科書を読むことができます これは驚くことでは ないでしょう 2015年の今では みんなタブレットに 電子書籍を持っています でも点字の本は 普通の本よりずっと前にデジタルになっていたんです 1980年代後半 今から30年近くも前の話です 視覚障害者の 具体的で強いニーズが そんな昔に電子書籍が作られる機会を 生み出したのです そういったことは 何もこれが初めてではありません アクセシビリティがイノベーションを刺激することを 歴史は示しています 電話機は 耳が不自由な人のための コミュニケーションの手段を 作り出そうとする中で生まれました ある種のキーボードもまた 元々は障害者のために作られたものでした
私が関わったもう1つの例を ご紹介しましょう 90年代に 周りの人たちが インターネットやウェブのことを 話題にするようになりました 最初にウェブに触れた時のことを よく覚えています 驚きました 新聞を毎日いつでも 読むことができ 自分でどんな情報でも 検索することができました 目の不自由な人たちが インターネットを使えるようにしたいと強く思いました そしてウェブページを 合成音声に変える方法を見つけました それによりユーザーインタフェースを 劇的にシンプルにすることができました
それが1997年の 「ホームページリーダー」の開発に繋がりました 最初に日本語用ができ その後 11カ国語に翻訳されました ホームページリーダーを作ったとき 多くの人から メッセージをもらいました 特に心に残っているのがあります 「私にとって インターネットは 世界に繋がる小さな窓です」
これは視覚障害者にとって 革命的な瞬間でした ネットの世界が 障害者の手に届くものとなり 私たちが視覚障害者のために 開発したこの技術は 想像をはるかに越えて 様々な使われ方をするようになりました 車の運転中に メールを耳で確認したり レシピを聞きながら 料理を作ったり
今では 昔より多くのことを 1人でできるようになりましたが まだ十分ではありません たとえば さっきステージに上がったときも 手助けが必要でした 私の目標は1人でここに 来られるようになることです ここだけじゃなく 旅行をしたり 皆さんには何でもないことが できるようになることです
では最新の技術をお見せしましょう これは私たちが取り組んでいる スマートフォン・アプリです
(電子音声) 扉まで15メートルです まっすぐ進んでください
(電子音声) 外へ出るには扉を2つ通ります 扉は右側にあります
(電子音声) ニックがやって来ます 嬉しそうです (智恵子) こんにちは ニック!
(笑) (智恵子) どこに行くの?なんか嬉しそうじゃない?
(ニック) 論文が受理されたんだ (智恵子) 本当?よかったじゃない!
(ニック) ありがとう だけど何で僕だって分かったの?それに嬉しそうだとか? (2人が笑う)
(男) やあ (笑) (智恵子) あ・・・どうも
(電子音声) あなたにではなく 電話相手に話しています
(電子音声) ポテトチップです
(電子音声) アーモンド入り ダーク・チョコレートです
(電子音声) 昨日から体重が2キロ増えています チョコレートでなくリンゴにしましょう
(笑)
(電子音声) もうすぐ着きます
(電子音声) 到着しました
この ―
(拍手)
ありがとうございます
このアプリは 無線標識信号とスマートフォンの センサーを使って道案内をし 屋内でも屋外でも 1人で歩き回れるように してくれます コンピューター・ビジョンを使って 誰がどんな様子でやってくるのか教えてくれる という部分は まだ開発中です 表情を認識する機能は 視覚障害者が社交的になるためにとても重要です
様々な技術の融合によって 視覚障害者が 世界を見られるようになります 私たちはこれを 「認知アシスタンス」と呼んでいます 周りの世界を把握して 耳に囁いたり 指への振動で伝えてくれます 欠けている ないしは 弱った五感能力を 「認知アシスタンス」は 補ってくれます この技術は まだ初期段階ですが やがて私は これのお陰で キャンパスで教室を見つけたり ウィンドウショッピングしたり 通りを歩きながら 素敵なレストランを 見つけられるようになるでしょう 通りで会ったとき あなたより先に私が 気付くとしたら すごいと思いませんか? これは私にとって そして皆さんにとって 最高の相棒になるでしょう
だから これは やり甲斐のある挑戦なんです そしてこの挑戦には 協力が必要です そのため 私たちは 研究活動を加速する オープンなコミュニティを 作ろうとしています ちょうど今朝のことですが ご覧いただいたビデオの中の基本技術を オープンソースにすると発表しました
フロンティアは現実の世界です 視覚障害者コミュニティが 開拓者となって この技術のフロンティアを 探索しています 新しい時代を皆さんと一緒に 切り開いていきたいです 次回 このステージに上がるときは 技術とイノベーションの力で 私はきっと 1人で歩いていることでしょう
ありがとうございました
(拍手)
品詞分類
- 主語
- 動詞
- 助動詞
- 準動詞
- 関係詞等
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